旗竿地の不動産はなぜ売れにくい?
2021年12月01日
旗竿地(はたざおち)と呼ばれる"竿付きの旗"のような形状の土地は「売れにくい」といわれます。
今回はなぜ売れにくいのか、その理由や特徴、メリットを活かして売る方法などを解説します。
旗竿地の不動産売却で押さえておきたい旗竿地が売れにくい理由とは?
旗竿地は、その形状から「敷地延長(敷延)」と呼ばれることもあり、道路からの出入り口は狭く、奥まった場所に広い敷地があるという特徴があります。
物件にもよりますが、売れにくい理由と考えられるデメリットがあります。
土地の利用や建物の設計に制約がかかる
旗竿地は周囲をほかの建物に囲まれていることが多く、日当たりや風通しの悪さ、プライバシーが確保しにくいなどの理由で、家を建築する際、間取りに制約がかかることがあります。
駐車場にする場合も、形状や広さによって車が停めにくいことも考えらます。
工事費用が高い
電気や水道などのインフラ整備も通常の土地より引き込みの距離が長いため、費用が高くなる傾向があります。
また、竿部分の幅によっては建設に使う重機が入らないことがあり、その分の人力が必要になるためさらに費用がかかる可能性もあります。
利用できる面積が小さくなる
竿の部分も土地面積に含まれるため、建築物を建てるために利用できる面積は小さくなります。
防犯面で懸念されることがある
奥に土地が広がっているため、周囲の目が届きにくく一度侵入されてしまうと防犯面に不安があるかもしれません。
不動産売却で重要な旗竿地の評価額を算出する3つの方法
旗竿地を評価する方法にはいくつかありますが、路線価を使って評価額を算出する方法についてご紹介します。
「路線価」とは毎年国税庁が公表している"1平方メートルあたりの土地価格"をいい、「実勢価格」の約8割程度とされていますが、実勢価格と実際の売却価格とは異なる場合もあることを知っておきましょう。
●評価額 = 路線価 × 奥行価格補正率 × 面積
一般的に、土地の評価は道路からの奥行きの長さが影響します。
旗竿地は道路からの奥行きの影響を考慮するため、路線価に「奥行価格補正率」を乗じて、評価額を算出する方法です。
●評価額 = 路線価 ×間口狭小補正率 × 奥行長大補正率 × 面積
間口が狭い宅地は、路線価に「間口狭小補正率」と「奥行長大補正率」を乗じて評価額を算出することがあります。
この方法で旗竿地の評価額を算出することもできます。
●評価額 = 路線価 × 不整形地補正率 ×面積
旗竿地を不整形地とみなして、評価する方法です。
この計算方法の場合、かげ地部分の割合を計算し、不整形地補正率表から不整形地補正率を求める必要があるため、詳しくは専門家にご相談ください。
旗竿地の不動産はメリットを活かして売却!効果的な方法は?
メリットを享受できる層に売却する
旗竿地を売却するためには、以下のようなメリットをアピールすることが大切です。
●価格が比較的安い
●車や通行人による騒音が遮られるので、静かに生活できる
●道路から遠ざけて子どもを敷地内で安全に遊ばせることができる
●接する道路から見られにくく、プライバシーが確保しやすい
隣地の所有者に売却する
旗竿地は隣地とくっつけてしまえば1つの大きな土地になるため、その点でもっとも有益なのは隣地の所有者でしょう。
買いたたかれることなく売却できる可能性があれば双方がメリットを感じやすい取引になります。
買取業者に売却する
土地開発のノウハウを持つ買取業者に売却すれば、住宅用には適さない土地に付加価値をつけて活用できる可能性があります。
まとめ
旗竿地について解説しました。
売れにくいといわれる旗竿地ですが、竿部分の幅が2.5メートル以上あれば有用性も高く、比較的スムーズに売れるケースもあります。
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